飲食店の内装工事の費用は高くなる傾向があります。見積もりの項目がどのような内容の工事を指しているのかを理解しておくことで納得のいく内装工事が進められるでしょう。
飲食店の内装工事の見積もりとは
飲食店の内装工事の見積もりは、店舗の内装を新しくする、または改装する際にかかる費用を事前に算出した書類のことです。飲食店では内装工事に大きな費用がかかります。それは、飲食店の内装にはさまざまな決まりが設けられているためです。消防法や営業許可などに関係しており、特殊な内装工事が必要とされます。この見積もりは、内装工事にどの程度の費用が必要になるかを把握し、予算計画を立てるための重要なツールとなります。
見積もりの主な目的
内装工事の見積もりには以下のような意味があります。
費用の把握
内装工事にどの程度のコストがかかるかを明確にすることで、予算の計画や資金調達のための調整をおこないます。
工事内容の確認
工事を依頼したからといって全て任せるのではなく、どの作業がどのようにおこなわれるのか、具体的な工事内容を把握し確認することができます。
業者選定の参考
どの内装工事業者に依頼するのかを検討中の場合に、複数の業者から見積もりを取り、費用や内容を比較して、最も適切な業者を選ぶ参考とします。
見積もりに含まれる内容
いざ見積もりを依頼してみたものの、項目を理解していなければ見積もりの意味がありません。飲食店の内装工事に記載される見積もり項目を知っておきましょう。
設計・デザイン費
店舗の内装デザインの設計費用や図面作成費用のことです。設計担当や、デザイン担当との打ち合わせが必要で、見積もり段階で図案の枚数を試算できないため一式といったかたちで見積もります。工事費の10~20%程度の金額が相場といえます。
仮設工事費
資材や設備を搬入する際に、ビルの共用部やテナント内の仕上を保護するためのボードやシートの取付作業にかかる費用です。
解体・撤去費
既存の内装の解体作業にかかる費用や撤去費用、解体したものを運搬車に積み込み処分場まで運搬する費用、解体したものの処分にかかる廃棄物処理費用などがこれにあたります。
内装工事費
壁、床、天井の仕上げ、仕切りや間仕切りの設置(軽鉄・ボード工事)、塗装や壁紙張り替え、照明器具の設置、下地の上に水で練ったモルタルや壁土などを塗りつける左官工事などが含まれます。
設備工事費
空調設備の設置・修理、配線、コンセント、照明などの電気設備、シンク、、給排水管などの水道設備にかかる費用です。
家具・什器
カウンター、テーブル、椅子などの製作・設置、収納家具などのことです。
厨房設備工事
キッチンの設置、厨房機器の設置や接続、換気設備の工事、厨房の壁に薄く平らな金属(板金)を貼る板金工事などを指します。
建具工事費
店舗の入り口やトイレなどの扉を設置する工事となります。
サイン・看板工事
店舗の外装サインや看板の設置、内装の装飾サインなどのことです。
防火・防災設備
火災報知器、スプリンクラーの設置、防火扉や避難経路の確保に必要な工事で消防法で決められています。
音響・映像設備
BGM用スピーカーの設置、モニターやプロジェクターの設置などがこれにあたります。
インテリア装飾
観葉植物や壁面装飾、アートやポスターの設置、この項目に照明やテーブル、いすなどが入ってくる場合もあります。
清掃・クリーニング
最終仕上げ後のクリーニング、ワックスがけや窓掃除にかかる費用です。
その他の雑費
交通費や搬入費、諸経費や管理費などです。
これらの項目は、店舗の規模やデザインの要件によって変動します。見積もりを依頼する際には、具体的な要望や条件を明確に伝えることが重要です。
見積もりを依頼する際のポイント
見積もりを依頼する際にどのような点に気を付けるべきか、そのポイントを押さえておくと見積もりがもっとわかりやすくなります。
明確な要望を伝える
希望する内装デザインや使用する材料について具体的に伝えることで、より正確な見積もりを受け取ることができます。
複数社からの見積もり
複数の業者に見積もりを依頼し、価格やサービス内容を比較することが重要です。
見積もり内容の確認
提示された見積もりの項目をしっかりと確認し、不明点があれば質問するようにしましょう。特に、見積もりの中身があいまいである場合には注意が必要です。
できるだけ細かい見積もりが提示されている業者は信用できるといえます。数量や単位をチェックすることは、同じ工事でも一式なのか、個数で試算しているかによっても、見積もっている条件が変わります。
まとめ
飲食店の内装工事の見積もりは、工事の計画を立てる上で非常に重要なステップであり、慎重に検討する必要があります。複数社からの見積もりの違いからそれぞれの内装業者のこだわりを読み取りましょう。内装工事業者は細かい見積もりで信頼できることを第一条件に選ぶことをおすすめします。
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