店舗内装工事を住宅専門業者に依頼してはいけない理由

店舗内装工事は内装業者じゃないとダメ？住宅専門業者との違いを確認しましょう。
 

店舗内装工事とは

店舗の内装工事では、飲食店の内装工事では壁や天井、床の他に、電気やガス、水道、空調、などの設備工事、入口などを含んだものを内装工事とよびます。専門的な工事も含まれるため、内装工事業者に依頼することが一般的です。内装工事には軽鉄工事やクロス工事、塗装工事、木製建具工事なども該当します。店舗の内装工事業者には3つのタイプがあります。

内装業者

店舗の内装工事は、デザインと設計、施工として3つの要素で成り立っています。内装業者では、これら3つの要素をこなすことができるため、1つの業者に一括で発注することが可能です。デザイン、設計、施工をそれぞれの業者に依頼することで費用が大きくかさんでしまいます。内装業者に発注することでそれらすべてをおこなうことができるため費用を抑えることが可能です。

工務店

店舗の内装工事を専門に行なう業者もあれば、内装だけでなく、一般住宅の建設やリフォームなどを含め、幅広い工事を引き受ける業者を指しています。工務店においてもデザインや設計、施工をおこなうことができるため、1つの業者で全てを一括発注することができます。店舗の内装工事だけでなく、一般的な住居の建築工事やリフォームなども引き受けているケースが多くあります。

デザイン・設計事務所

デザイン会社は、基本的にはデザインと設計が主な業務です。設計・デザイン会社は、基本的にはデザインや設計のみを担当するため、先にご紹介した内装業者や工務店とは、この点において大きな違いがあります。デザインの凝った内装にしたい場合や、過去の施工案件から好みのデザイナーを指名したい場合に選択します。デザインにこだわった店舗内装を希望する場合にはおすすめです。
 

住宅専門業者とは

主に住宅を建てたり、住宅のリフォームをおこなったりする業者で建築業者ともよばれます。

ハウスメーカー

全国展開をしている規模の大きな会社が多く、住宅展示場にモデルハウスを公開していることもあります。主に新築で家を建てることを得意としています。設計、工事、アフターサービスまでの体制が整えられ、品質や技術を高めるための研究にも力を入れています。

工務店

会社によって違いがあるのが特徴です。ハウスメーカーよりも狭い地域での営業が多くみられます。地域密着型として1店舗だけでやっているところから、多店舗展開しているところもあり規模もさまざまとなっています。

設計事務所

設計事務所では専任のデザイナーが在籍しているためデザイン性の高い、オリジナリティーあふれる住宅となります。住む人に合わせたオーダーメイドハウスの実現が可能です。
 

内装工事と建築工事の違い

店舗の内装工事は内装業者、住宅専門業者は建築工事となります。建物を何もないところから建てるのが建築工事で、いわゆる一般的な住宅を建てる際におこなわれる工事ということです。建築工事には、新築工事や増築工事、改築工事などがあり、内装工事と比較すると大がかりな工事となることが多い、という特徴があり、建築工事と内装工事では、業者が異なってくるのです。またリフォームに関しても部屋の壁紙を張り替えたり、インテリアを変更するといったような一般的な住宅のリフォームとは大きな違いがあります。
 

店舗の内装工事を住宅専門業者に依頼してはいけない理由

上記で内装工事と建築工事の違いを解説しました。それでは住宅専門業者はリフォームもおこなうけれど、店舗の内装工事ができない理由を紹介します。

内装制限がある

内装制限とは建築基準法で決められているルールです。内装制限を守って内装工事をおこなわなければ違反とみなされることもあります。

建物の火災の被害を最小限にし、入居者や利用者の命を守る法律で、建築基準法と消防法2つの法律から成り立っています。壁や天井には準不燃材料や難燃材料を使用することと定められており、接客業務をおこなう業種が対象で、建物の種類ごとに基準が細かく分かれています。特に火を使用する飲食店では内装制限が厳しいため、店舗内装業者に依頼する必要があります。住宅専門業者では、このような制限のある内装工事に不慣れであることが理由のひとつです。

設備工事がある

店舗の内装工事では、一般住宅と違い、さまざまな設備工事が含まれます。給排水やガス、大型のエアコン、飲食店で使用される厨房機器の設置などもおこないます。住宅専門業者の内装工事とは規模が違ってくるためです。専門の知識が必要となり、設備によっては資格が必要とされる場合もあります。

上記が店舗の内装工事を住宅専門業者に依頼してはいけない理由となります。ただし、工務店の中には、店舗の内装工事をおこなっている場合があり、店舗内装工事が可能な業者もあるかもしれません。その場合には、過去の施工実績などをしっかりと確認したうえで、依頼することをおすすめします。
 

まとめ

店舗の内装をおこなうことができる業者と、住宅専門業者とよばれる建築業者では、そもそもの工事に大きな違いがあることを理解しておきましょう。

店舗内装工事の知識をあまりもたない業者に依頼することは、さまざまな点でリスクがあります。店舗の内装工事の知識があり、施工実績が豊富な内装業者を選ぶようにしましょう。