飲食店開業におすすめといわれる居抜き物件は今、とても人気があります。
そもそも居抜き物件とは
もともと存在した店舗の家具や設備などがそのまま残った状態での不動産物件で、売却したり、貸し出されている物件のことです。すでに設備が整っている状態での賃貸契約の募集がされている物件のことをさします。
以前の事業主が使用していた設備をそのまま使用することができ、新しくテナントに入るときに内装工事にかかる初期費用を抑えやすくなるという特徴があります。調理設備、空調設備、給排水設備、床、壁、天井の内装やカウンターだけでなく照明やテーブルや椅子、造り付けの棚などの家具などもそのまま使用することができます。物件により、設備がどの程度が残されているのかは異なります。
内装が整っている状態であっても、設備の撤去や内装工事のやり直しなどをおこなうこともできますが、それらは貸主の許可を得る必要があります。
飲食店開業で居抜き物件がおすすめの理由
飲食店を開業するにあたり、重要なポイントとなるのが立地や物件といわれています。人通りが多い、駅の近く、など飲食店にとって好条件といえる立地や物件を見つけることで、その後の集客に期待ができるのです。さまざまな飲食店がひしめく中で、自店舗を選んでもらうためには、物件選びはとても重要な要素となるのです。好条件の物件は人気があり、賃料が高くても空きが出ればすぐに埋まってしまうことも考えられます。
内装工事期間
飲食店を開業するには、さまざまな準備が必要で、それらには多くの時間を費やすことになりますが、それが居抜き物件である場合には、開業までの期間を短くすることが可能です。
それには内装工事が関係します。内装工事には、店内の床や壁の張り替えや、厨房機器の設置などが含まれます。一から開業準備をした場合、短くても2~3か月程度の期間が必要となります。もちろん凝ったデザインやこだわりのある内装の場合にはさらに期間は伸びることが予想されます。
一方で居抜き物件では、そこで営業をしていた店舗の厨房機器や家具などをそのまま使用することができるため、最低限の内装工事を施すだけで済みます。工事内容によっては1か月かからないこともあるのです。
少しでも早く開業したいという思いを実現することができるという点で居抜き物件はおすすめといえます。
内装工事費用
飲食店を開業するには資金が必要です。賃借費用、内装工事費、備品、運転資金などを合わせると大まかな数字でも1000万円前後の費用がかかります。特に飲食店の場合、厨房設備の設置が関係する内装工事費用が大きな負担となってきます。
それらの費用を抑えることができるのが居抜き物件なのです。居抜き物件では、前にその物件で営業をしていた店舗の設備がそのまま残っています。それらが正常に稼働するものであれば、それらを使用することで新たに設備をそろえる必要がなくなります。
飲食店のジャンルや店舗の規模によっても変わりますが、最低限必要とされる厨房設備を新品でそろえた場合には300万円前後の費用がかかる場合もあります。またそれらを設置するための内装工事費用が加わり、大きな出費となってしまうのです。
飲食店開業には他にもさまざまな出費があるため、設備にかかる費用や内装工事にかかる初期費用を抑えることができるということは大きなおすすめポイントといえます。
居抜き物件を選ぶ際の注意点
飲食店を開業する際には居抜き物件がおすすめであることがわかりました。そこで居抜き物件を選ぶ際の注意点を押さえておきましょう。
希望の物件に出会えない可能性
居抜き物件とは、設備や家具がそのままとなっているだけでなく、レイアウトがすでに出来上がっている状態が多くみられます。そのため、自由な発想で店舗の設備を整えることが難しいという部分があります。こだわりのあるデザインや、あまりにもコンセプトと合わない、希望のレイアウトからかけ離れてしまうような物件である場合も十分にあり得るということになります。希望する物件が長い期間、見つからないということも考えられます。
設備が使える状態ではなかった
残された設備が老朽化により使用ができずに、結局、買い足すことになる場合があるという点です。保証書や取扱いマニュアルは付属していないことがほとんどで、期待したほどの費用圧縮効果が得られないこともあります。
設備の使用年数などをしっかりと確認し、正常に作動するのかをあらかじめチェックすることが重要です。特に、空き物件になってから時間が経っている物件については、十分に注意し、安さだけにとらわれないようにしましょう。
さらに、飲食店を開業する際には、電気や水道ガスが必要量を出しているかどうかを確認することも重要だといえます。
居抜き物件の選び方
インターネットによる方法では、居抜き物件検索の専門サイトなどを利用して物件を探すことができます。希望する居抜き物件の業種やエリアで検索をかければ、知りたい物件情報をすぐに調べられるので便利です。
また不動産業者に依頼して探してもらう方法もあります。この場合、出回っていないような物件を紹介してもらえる可能性もあります。
居抜き物件選びで重要なのは立地です。駅からのアクセスがよいなどの条件がそろえば集客の不安も減ることでしょう。しかしながら、そのような物件は人気があり、すぐになくなってしままいがちです。焦って物件を決めてしまうことのないように、余裕をもった計画をたて、居抜き物件を探し始めるタイミングを見計らうことが大切です。
いい物件を逃してしまわないように、できるだけこまめにチェックすることを心がけます。また開業するときと合わせ、移転や閉店するときのことも考慮し、退去の際の費用や引き渡し方法までもしっかりと確認しておくことをおすすめします。
まとめ
飲食店開業には居抜き物件がおすすめな理由と、居抜き物件を選ぶ際の注意点や選び方について解説しました。居抜き物件は残された設備や家具、什器を再利用することができ、開業までの期間の短縮、開業にかかる初期費用を抑えることが可能なため、これから飲食店を開業しようと考えている場合にはおすすめです。居抜き物件のメリットを最大限に活かすためにも余裕をもった計画のもと、物件探しは焦らずにじっくりとおこないましょう。
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