内装業はどんな仕事をしているのでしょうか。
内装業とは
住む家や店舗など、クロスの色や質感、フロアの材質や照明器具など目に入るさまざまなものが中に入ったときの第一印象となります。いわばすべてにおいてその顔ともいえるものが内装なのです。もちろん見た目だけではなく、使いやすさなども重要なポイントで、居心地の良い空間を作るために内装工事は必要不可欠なものといえます。壁や床、天井やインテリアなどの全体的なバランスもさることながら、長く使用していくためには素材選びなどにも気を配る必要があります。
内装業の仕事とは
内装業は、建物の内装工事全般を仕事とする職人のことで、屋内の内装工事すべてを請け負うため、幅広い分野の職種があります。では、その内装工事においてどのような種類の工事があるのかを具体的に見ていきましょう。
鋼製下地組立
軽鉄を用いて壁や天井の骨組みを作る仕事内容のため軽鉄工事ともよばれることがあります。それらの骨組みは、ボードを張るときの下地となり、何もない空間に、設計図を見ながら軽鉄を組み立てていく作業で、設計図を正確に読み取る能力が必要です。材料に使われるものにはLGS(Light gauge steeが一般的です。
二重天井や、間仕切り、そのほかには壁などを作る骨組みを軽量鉄骨を使ってはめ込む工事のことを言います。
ボード工事
下地となる軽量鉄骨の上に燃えない建材として使われる石膏ボードなどを壁や天井に貼り付けていく作業です。このボードは火災による延焼を防ぐことができ、非難するときに避難経路を確保できる役割も持ちます。石膏ボードの種類によってはクロス張りを必要とせずそのまま仕上げになる場合もあり、つなぎ目が目立たないように張る器用さと正確さが必要です。
クロス工事
ボード工事で張り付けた上から壁紙や天井にクロスを張る仕事内容になります。ボードとクロスの間に空気が入らないようにきれいに張っていくことと、シワなどにも注意しなくてはならず、経験と高度な技術を必要とします。
塗装工事
壁や天井にハケやローラーを使って必要な箇所に塗装を施していきます。壁や天井に用いられている材質によって塗料を選定し、下地処理を行い本塗装となります。塗りムラなどがないように均一に塗っていく必要があり、熟練の技術が必要です。
左官工事
内装工としての左官工事は壁土を用いて壁を塗っていくのが仕事です。凹凸や模様を自由に描けるため、高級感を出したい場合などの雰囲気作りにも使用されるようになっており、住宅というよりは、店舗の内装で使われます。デザイン力と手先の器用さ、技術力が求められる作業です。
床仕上げ工事
床仕上げ工事は床材を床面に敷き込んで床を仕上げるのが仕事です。フローリングからフロアタイルやカーペットなど種類があり、必要に応じて高さ調整をしたり、空気の通り道などを確保したりと臨機応変な対応が必要です。床材に合った張り方をするのはもちろん、つなぎ目が目立たないよう張るなど美しさを表現しなければならず、高度な職人技を必要とします。
天井上げ工事
天井仕上げは、軽量鉄骨下地が施された天井の下地に石膏ボードで天井を仕上げるのが仕事です。天井専用の石膏ボードにはさまざまな種類があり、防音効果のあるものやクロス張りが必要ない化粧ボードなどがあります。
木製建具工事
ドアや引き戸、ふすまや障子など開閉機能の仕切りを取り付ける作業です。内装工事の終盤、仕上げ工事のひとつとしておこなわれるのが通常です。
近年はモダンな家具など、デザイン性にこだわる案件も増えてきていることから、内装のイメージを決める重要な役割となっていて、雰囲気に合った建具を提案するなどのデザイン能力も問われる仕事です。
家具工事
家具工事は、現場での採寸を基に、造付け家具の製作と現場での取り付け作業となります。設計図を基に家具工場で製作したのち、部品や制作物を現場に持ち込み組み立ててとりつけることになります。デザインだけでなく、機能性も考慮しなければならず、センスやデザイン面での能力が求められます。
内装業に就くには
内装工は技術を求められる仕事ですが、目指すにあたり、年齢、性別、学歴、必要な資格などの制限はありませんが、取得していると有利となる資格があります。
家具製作技能士 | 家具製作で必要な知識や技術の修得を証明できる |
建具製作技能士 | 建具職人として信頼や仕事の幅が広がる |
塗装技能士 | この資格を持つ者を雇用する企業は大規模事業が受注しやすくなる |
内装業に就くには公共職業訓練校を経て就職する方法と、内装工事の会社に入ってから見習いとして技術を学ぶ方法があります。
一人前に内装の作業ができるようになるまでには、内装工事業者へ入職して3〜4年はかかります。技術や知識を身に付けられると、独立することも可能です。
内装工事の流れ
現場調査
着工前の工事現場で壁や窓、天井の採寸や電気設備や水回り、店舗ならば空調設備の配置などを調査していきます。
図面作成
現場での採寸から平面図を作成します。デザインの提案や材料の見積もりをするために細部まで精密に作成する重要な作業になってきます。
基本プランの設計
依頼者と密な打ち合わせが発生するポイントです。依頼者のイメージなどを聞き取り、予算内で最大限実現できるように平面上にプランを作成します。
契約
依頼者と合意のうえ、契約へと進みます。工事日程や工程表も提出し、流れを把握してもらい、情報を共有します。
設備工事
設備工事はエアコンなどの空調設備やトイレや洗面台などの水回り、飲食店の場合には厨房設備などの設置もおこなわれます。
内装下地工事
鋼製下地組み立て作業で、軽鉄を用いて次に天井、壁、床などに骨組みを組み立てていく工事に入ります。設計図通りに仕上げることで、後の作業に影響をあたえることになるため重要な工程とされています。
電気設備工事
電気設備工事では配線工事からコンセントの差込口や電気スイッチの設置などがおこなわれます。店舗ではエアコンや空調設備、照明の取り付けなどもここでおこなわれます。
内装仕上工事
内装下地のうえに天井仕上げや石膏ボード張り、クロス張りや塗装仕上げなど、内装仕上げ工事をおこなっていきます。
検査・引き渡し
内装工事がすべて終了したら、検査をおこないます。設計検査や消防検査など内装工事による必要な検査すべてをおこないます。最後に依頼者のチェックでOKがでると引き渡しとなります。
まとめ
内装業は中の工事全般をおこないます。仕事内容は非常にボリュームが多く、それぞれの作業に専門の技術をもつひとたちが関わっています。店舗などは居抜き物件などの需要が多く、内装業はとても重宝されるため、将来性も見込める職業です。
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