飲食店開業前に知っておきたい法律の知識

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飲食店に関係する法律にはどのようなものがあるのでしょうか。開業前にチェックしておきましょう。 

飲食店の経営

飲食店を開業するにはまず、食品衛生責任者が必要となります。これは、店舗の衛生面を管理する責任者の資格で、調理師や栄養士といった資格を持っている人はそれらの資格をもって食品衛生責任者となることができます。

ただし、それらの資格がない場合でも、食品衛生協会が行っている講習を受けることで資格をとることが可能です。

また、店舗の収容人数によっては防火管理の責任者などの届け出が必要な場合もあります。(スタッフを含めた収容人数30人未満の店舗では、防火管理者の選任・届出は必要ありません)飲食店の経営には資格やさまざまな届け出などがあり、さらに守らなくてはならない法律が存在します。

法律は国家の強制力を伴う社会規範であり、違法行為があった場合には罰せられることになります。飲食店を経営するにあたり、関連する多数の法律について知っておく必要があります。

飲食店開業前に知っておきたい法律

飲食店を開業するにあたり知っておくべき法律は、食品管理に関連するものと、労働に関するものがあります。

食品管理関係

飲食店の開業を考えているなら最も重要で知っておかなければならない法律が食品衛生法です。国民の健康を守るため、食品の安全性の確保について定められている法律です。

食中毒や飲食による健康被害の発生防止を目的としているもので、食品と添加物や表示と広告、器具と容器包装、また行政による監視指導、検査、営業許可が含まれます。

新規開業時に保健所へ提出する営業許可の申請はこの食品衛生法に基づいています。

食品リサイクル法

近年問題とされている、食べ残しや売れ残り、製造過程において発生する廃棄食品の量を減らすこと、そしてそれらをリサイクルすることを目的とした法律です。

食品製造、加工業者や卸売・小売業者、飲食店など食事の提供をおこなう事業者は、廃棄食品を肥料や飼料として活用することが求められます。

労働関連

風俗営業法

また深夜0時以降にアルコール類の提供をする場合には、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の対象となります。深夜酒類提供飲食店営業の届出をする必要があります。

労働基準法

労働時間や休日、また賃金に関するスタッフの労働条件について必要最低限の基準が定められている法律です。就業規則もここに含まれます。

労働者災害補償保険法

業務中や通勤中による負傷、病気になった際に本人やその家族を保護するためにあるものです。必要な保険給付をおこない、被災したスタッフの社会復帰や遺族支援などもおこなわれます。

パートタイム労働法

短時間労働である契約社員やパート、アルバイトの雇用環境の整備や、働きに応じた公正な待遇などを目指して作られた法律で、正社員との待遇の差を禁止するための法律です。

雇用保険法

働くひとの雇用の継続と能力向上、雇用機会拡大、生活の安定、失業予防、福祉向上などを目的としている法律です。

消防法

消防法は火災予防や初期消火、人命救助、本格消化を目的としており、消火設備、警報設備、避難設備を用意しなくてはならないことが明記されています。内装にも注意が必要で、壁及び天井の室内に面する部分に使用されるカーテンや布製ブラインド、じゅうたんなどの敷物類などを防火防災対象物に認定されているものを使用することが決められています。

上記は最低限知っておきたい法律となりますが、他にも店舗の賃貸借契約に関わる借地借家法、健康保険及び厚生年金保険法、独占禁止法、景品表示法、所得税法や法人税法、地方税法などの税金に関するものまで、飲食店の経営において知っていると良い法律はいろいろあります。必要に応じて学んでおくといいかもしれません。

飲食店の営業に関する申請

また飲食店を開業するには、申請や資格が必要です。

飲食店営業許可申請

営業許可申請には、営業許可申請書の他に、店舗内や厨房の間取りが記載されている図面、資格証明書、申請料を店舗を出す地域の保健所に提出します。地域によって違いますが、多くの場合オープン10日~2週間前が期限となっています。

防火対象物使用開始届

最寄りの消防署に提出する届け出で、消防署のフォーマットに沿って記入、提出には建物の配置図、立面図、消防用設備の設計図書などの書類を添付します。オープンから1か月以内が期限となります。

個人事業開業届

個人事業として店を開業する場合には税務署に個人事業開業届を提出しましょう。これらの申請を怠ってしまうと法律違反となってしまうため、余裕をもったスケジュールで忘れることがないように手続きをおこないましょう。

思わぬ法律違反

飲食店を経営するうえで、思わぬところで法律違反をおかしてしまう場合があるので注意が必要です。

BGM

店舗内で流すBGM、サブスクの音楽配信サービスの楽曲は個人利用のコンテンツとなっているため、店舗で流すと商用利用となってしまい、著作権違反となってしまうのです。店舗向けのBGM配信サービスなどを利用するようにしましょう。

従業員の食事(まかない)

恒常的に従業員に対して無料でまかないを提供していると、税務署に経費を増やすことで納めるべき税金を減らしていると捉えられてしまう危険性があります。まかないを無料で提供していると現物支給とみなされてしまい課税対象となってしまう場合があります。差額分を追徴課税されるおそれがあるので、注意が必要です。

サービス券やクーポン

こちらは、景品表示法で基準が定められており、限度額に制限が設けられています。支払額が1000円未満では200円まで、1000円以上では10分の2までとなっていますが、割引クーポンには上限限度額の基準は設けられていません。景品表示法に違反して改善命令に従わないと、懲役刑や罰金刑に科せられるおそれもあります。

このように、よかれと思っていた行為が知らず知らずのうちに法律違反をなっていることも多いため、細心の注意が必要です。 

まとめ

飲食店だからといって、食品に関する法律だけでなく、労働に関する法律、著作権など守らなくてはならない法律が多くあることがわかりました。飲食店開業前に法律に関する知識をもっておくことで、法律違反をしてしまうリスクを避けることができます。

知らなかったではすまされないのが法律です。飲食店開業前に、必要と思われる法律をしっかり理解しておきましょう。

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